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AIへの資料の頼み方は、相手にしてもらう動きを動詞で書かせる

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AIに資料づくりを頼むと、部署ごとに似た資料ばかりができてしまうことがあります。頼む人によって書き方もばらばらで、うまくいった頼み方が社内に広がりません。この記事は、頼み方をそろえながら資料の幅を出す方法を、研修でどう教えるかに答えます。

答えは、資料の名前ではなくて、その資料で読む人に何をしてもらうかを、動詞で一文に書かせることです。株式会社ストリックランドが運営する生成AI研修 Qu では、AIに頼む前にこの一文を書く練習を最初に置きます。書く場所の型はそろえますが、中に入る言葉は資料ごとに変わるので、幅が出ます。

名詞で頼むと似た資料になる

「四半期の報告資料を作って」と頼むと、AIは世の中によくある報告資料の形で返してきます。「資料」という名詞には、よくある形がすでに決まっているからです。頼んだ人の事情は、ほとんど入りません。

ある手引きは、この名詞を動詞に置き換えるよう勧めています。四半期の報告なら、「忙しい人に原因の話を信じてもらい、30分で決めてもらう」と書きます。こう書くと、資料の形ではなくて、読む人の動きが決まります。

動詞で書くと、資料に何が要るかも見えてきます。原因を信じてもらうには、根拠を示す必要があります。30分で決めてもらうには、選択肢の数を絞る必要があります。

型は一文に決める

研修で教える型は、短いほうが全員に定着します。弊社が使う型は「誰に、何をしてもらうために、どんな資料を作るか」の一文だけです。

名詞だけで頼む人は、「営業の報告資料を作って」と書きます。動詞で書く人は、「部長に、先月の失注の原因を納得してもらい、来週の訪問先を決めてもらう」と書きます。後者のほうが、AIが資料に入れるべき内容を選びやすくなります。

型は同じでも、入る言葉は部署や場面で変わります。これが、頼み方をそろえて幅を出す、という意味です。そろえるのは書く場所だけで、書く内容は縛りません。

弊社が外に出す文で確かめていること

弊社では、外部へ出る文を、会社として出してよいかどうか、Jev という機械の判定で点検してから出しています。この点検で多く見つかるのは、誰に何を伝えたい文なのかが決まっていない文です。

読む人にしてほしい動きが一文で言えない文章は、機械にも人にも評価が低くなります。資料をAIに頼む前の一文は、この点検に通る文章を作るための、最初の準備にあたります。研修でもこの順番を伝えます。まず目的の一文を書き、次にAIに頼み、最後に目的に合うかを人が確かめます。

研修の進め方

時間は、社員全員で受ける1回3時間のワークショップを例にします。弊社のワークショップは社員全員が対象で、単発1〜2日の形があります。

はじめに、受講者が最近作った資料を1つ思い出し、資料の名前を書きます。次に、その資料で読む人に何をしてもらいたかったかを、動詞で書きます。そのあと、名詞だけで頼んだ場合と、動詞の一文で頼んだ場合の両方をAIに出させます。最後に2つの結果を並べ、どこが違うかを話し合い、隣の人の一文を読んで、読む人の動きが分かるかを確かめ合います。

中心になるのは、2つの結果を並べる作業です。違いを自分の目で見ると、型を使う理由が受講者に伝わります。

型がうまく使えない場面

動詞を書かせると、いくつかの失敗が出ます。講師は受講者の一文を見て、どれに当たるかを見分けます。

「理解してもらう」だけで終わる一文は、とくに多い失敗です。理解したあとの動きが無いので、理解した後で何を決めてもらうかを足させます。読む人が「皆さん」になっている一文は、誰の動きかが決まりません。一番決める力のある人を1人選ばせます。動詞が複数ある一文は、資料の目的がぼやけます。一番大事な動詞を1つ残させます。資料の形を先に書いている一文は、名詞の頼み方に戻っています。形は最後に書き、動きを先に書かせます。

動詞から必要な知識を引き出す

動詞で目的を書くと、どんな知識を持つ人が要るかも見えてきます。たとえば「社長に、値上げの時期を決めてもらう」なら、値上げで客がどれだけ離れるかを調べた経験のある人の知識が要ります。

講師は受講者に、この資料で読む人が決めるには、どんな知識が要るかを聞きます。足りない知識が資料に入っていないなら、その材料を集めてからAIに渡します。手元の材料を渡し、一文の目的を添える頼み方です。専門家のふりをさせるより、目的に合う材料を渡すほうが、AIの答えは変わります。

会社に要る理由

この型を会社で教える理由は、資料の質が人によって大きくぶれるからです。ぶれの原因は、AIの腕前よりも、頼む側が目的をはっきり書いていないことにあります。目的を言葉にしないまま頼むと、できた資料を直す作業が増え、受講者の時間も会社の費用もむだになります。

型を研修で全員に渡せば、部署が違っても、直しの回数を減らす同じ手順を使えます。うまくいった一文を社内に残せば、新しく入った人も、その一文を見本にして書き始められます。

目的を先に書く考え方は、生成AIワークショップを社内で開く準備は、終わりの姿を1文で決めることから(新しいタブで開きます)でも扱っています。頼む前の書き出しは、AIにうまく頼めない人には、頼む前に1分の書き出しを研修で教える(新しいタブで開きます)も合わせて読むと進めやすくなります。

明日からできること

明日、社内で資料をAIに頼む場面が来たら、頼む前にメモ帳へ一文を書いてください。「誰に、何をしてもらうために」の形で、動詞を入れます。書いた一文を、そのままAIへの最初の指示にします。

できあがった資料が、いつもの資料とどこが違うかを見てください。違いが見えたら、その一文を研修の見本として社内に残します。

2026年10月時点の内容です。

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