研修でAIに仕事のやり方を覚えさせようと話すと、受講者は手順書を1つのファイルに全部書きます。書き足すほど長くなって、どこを直せばよいのか分からなくなるのです。この記事は、AI向けの手順書を小さなファイルに分ける方法を、研修でどう教えるかに答えます。
教える中身は2つです。1つのファイルには1つの考え方か技法だけを書くことと、ファイル同士のつなぎ方です。2026年10月時点で、Qu の研修でこの作り方を教えるときの進め方を書きます。
大きな1冊だと困ること
大きな1冊の手順書には、経費の確認も、お客様への返信も、報告の書き方も入っています。AIに頼む仕事は1つでも、毎回この1冊を前提に動くことになります。
人が直すときも同じです。返信の文面だけ直したいのに、1冊の中から該当の場所を探すことになります。直した結果、別の場所の指示とぶつかることもあります。
最初は、この困りごとを受講者自身に体験してもらう場面です。自分の手順書を1冊のまま開き、直したい所を探す時間を取ります。すると、分ける理由が実感として分かります。
AIはどの順に読むか
分けた手順書をAIに渡すと、AIは目次、説明文、本文の順に近づきます。まず目次で関係のありそうなファイルを選び、次に説明文で中身を確かめます。本文を読むのは、必要なときだけです。
そのため、多くの判断は、ファイルを全部読む前に終わります。受講者には、各段階が何の役目かを次の表で見せます。
| 段階 | 書く内容 | 受講者が確かめること |
|---|---|---|
| 目次 | ファイルの名前と、1行の案内 | 名前だけで中身が思い浮かぶか |
| 説明文 | そのファイルが扱う考え方と、使う場面 | 読めば開くかどうかを決められるか |
| 本文 | 具体的な手順と判断の基準 | 1つの考え方だけに収まっているか |
小さなファイルに分ける手順
演習では、受講者が普段使っている手順書を1冊持ち込んでもらい、次の順に進めます。
まず手順書を最初から最後まで読み、考え方や技法が切り替わる所に印を付けます。印ごとにファイルを分け、ファイルの名前に中身を書いたうえで、先頭に扱う内容と使う場面を1〜2文で書きます。次は目次のファイルです。ファイルの名前と1行の案内を並べます。最後に、別のファイルを見る必要がある所へ「この場合は差し戻しの文面を見る」のように行き先を書きます。
たとえば経費の手順書なら、領収書の確認と、差し戻しの文面で、印が切り替わります。それぞれを別のファイルにします。
名前の付け方も教えます。「手順1」ではなく「領収書の確認」のように、中身が分かる名前にします。AIも人も、名前で選べるからです。
目次と説明文を先に整える
研修で一番時間をかけるのは、本文ではなく目次と説明文です。AIは本文より前に、この2つを読んで進む先を決めるからです。
説明文が曖昧だと、必要なファイルが開かれません。反対に、本文が多少粗くても、説明文が正確ならAIは正しいファイルにたどり着きます。
受講者には、隣の人に説明文だけを読んでもらいます。そのファイルを開くべきかを答えられるか、確かめます。答えられなければ、説明文を書き直す流れです。
分けすぎを防ぐ
小さければ小さいほどよい、とは教えません。1つのファイルに複数の考え方が入っていたら分けます。逆に、同じ考え方が2つのファイルに散っていたら、1つにまとめます。
基準は、「このファイルは何の判断のためか」を1文で言えるかどうかです。言えなければ、分け方を見直します。この確認は、手順書を後から直すときにも使えます。
ファイルごとに目的を1文で決める考え方は、生成AIワークショップを社内で開く準備は、終わりの姿を1文で決めることから(新しいタブで開きます)と同じです。
研修の組み方
手順書づくりは、座って聞くだけでは身につきません。自分の仕事の手順書を使い、その場で分けて、AIに読ませる流れにします。全体の進め方は、Claude を社内研修で教える手順は、準備から定着までの5段階(新しいタブで開きます)に沿って組めます。
弊社の法人向け研修のうち、社員全員で受けるワークショップは1回3時間です。参考価格は30万円〜(税抜)です。全プランにオリジナルカリキュラム「Qu-bis」が付き、まずは無料の実演デモから見られます。手順書を分ける演習を入れるかどうかは、研修の目的に合わせて決めます。