Qu

現場にお願いするルールは2つまでに絞ると、研修で書き出しながら教える

公開

会議で決めたルールが、気づけば10個を超えている。現場では守る人と忘れる人が出て、確かめる側も疲れてしまう。この記事は、現場にお願いするルールを2つまでに絞る方法を、研修でどう教えるかに答える。

研修では、ルールを足す練習ではなく、減らす練習が中心です。受講者に、現場へお願いしたい決まりをすべて書き出してもらい、仕事の結果に直接つながる2つだけを残してもらい、外したルールには外した理由を1行ずつ書かせます。この3つの作業を1回の研修の課題にすれば、絞る考え方が身につきます。

2つまでにする理由

ルールが多いと、現場はどれを先に守ればよいか分からなくなります。仕事の途中で読み返す余裕もありません。すると、どのルールも半分しか守られない状態になります。

ある会社の事例では、現場に頼んだのは2つだけでした。1つ目は、受注か失注が決まったら一言書くこと。2つ目は、お客さん1人につき1通で送ることです。この2つなら、研修の場で全員が口に出して言えます。口に出して言えることが、守られるルールの条件だと弊社は考えています。

会社に2つまでが要る理由は、守られているかを確かめる手間にもあります。ルールが増えるほど、見る人の時間も増えていきます。見る人が追えなくなった時点で、決まりは書いてあるだけの状態です。

研修で最初に書かせること

最初の演習は、ルールの棚卸しです。次の順に進めます。

  1. 現場にお願いしたい決まりを、付箋に1枚1つで書く
  2. 付箋を数えて、全部でいくつあるかを声に出す
  3. 「守られなかったら、お客さんや売上に何が起きるか」を付箋ごとに書く
  4. 何も起きない付箋を外す

多くの受講者は、3の段階で手が止まります。止まった付箋は、書いた本人も理由を言えないルールで、ここで外すものが見つかります。

残す2つの選び方

外す付箋が減ったら、残りを比べます。比べる点は、表のとおりです。

見る点残す側の例外す側の例
守らないと起きることお客さんへの連絡が抜ける見た目がそろわない
いつやるかが言えるか受注か失注が決まったとき「なるべく早めに」
終わりが数えられるか1人につき1通「丁寧に対応する」

「いつ」と「どれだけ」が言えないルールは、守れたかどうかを確かめられません。先ほどの2つは、受注か失注が決まったときと、お客さん1人につき1通という形で、どちらも両方を持っています。受講者には、自分の付箋を同じ形に書き直させます。形に直せないルールは、残す候補から外してかまいません。

外したルールの扱い

外したルールは、捨てるのではなく、行き先を決めます。研修では、2つのうちのどちらかに含めるか、管理者が見る点として現場には頼まないか、本当に要らないので消すかの3つから選ばせます。

ここで話し合っておきたい点があります。外したルールを、誰がいつ見直すかです。この点は決めずに終わると、外したはずのルールが少しずつ戻ってきます。誰が見直すかは、研修の場で参加者と話し合って決めるのが現実的です。

AIに関わる決まりを絞る場面では、部署でAIを使う前の4つの決めごとを1枚のメモに書かせる研修(新しいタブで開きます)も、同じ考え方で進められます。「気をつけて」のような言葉を、確認できる行に直す方法は別の記事(新しいタブで開きます)にまとめています。

弊社の研修での扱い

弊社の1on1型短期集中研修は、5名までの受講者に専属の講師が1対1でつき、期間は2か月です(2026年10月時点。参考価格は税抜120万円からです)。1対1の場では、受講者本人の現場にある決まりを実際に書き出して、2つまでに絞る作業を一緒に進められます。全員が同じ題材で学ぶ形ではなく、自分の職場のルールで練習できる点が、この形の利点です。

明日できる次の一手

明日、自分の部署に頼んでいるルールを、付箋に1枚1つで全部書き出してください。書き終えたら枚数を数えます。そのあと、「守られなかったら何が起きるか」を1枚ずつ書き、何も起きない付箋を外します。

残った付箋から2枚を選び、「いつ」と「どれだけ」が入る形に書き直します。書き直した2枚を、次の朝礼や定例で現場に伝えてください。残りの付箋は、行き先が決まるまで手元に置いておきます。現場に伝えるのは、2つだけにします。