会議が終わって議事録を開くと、結論の行はあるのに、そのあと誰が動くのかが読み取れないことがあります。研修で「結論と行動を書きましょう」と言っても、受講者は書いたつもりで終わりやすいものです。この記事では、研修の中で結論の行を点検させ、担当と期日を入れる習慣をつける方法を説明します。
結論から言うと、研修では「会議に出ていない人が、この1行だけ読んで動けるか」を受講者に確かめさせます。弊社ストリックランドの研修(Qu)では、書き方を説明する前に、受講者自身の議事録でこの確認をしてもらいます。動けない行が見つかると、受講者が自分で直す理由を持てるからです。説明を聞いただけの人より、自分の抜けを見つけた人のほうが、次の議事録で書き方を変えます。
なぜ結論だけでは足りないのか
議事録でいちばん大事なのは、結論とその後の行動です。行動は「誰が」「何を」「いつまでに」の3つで書きます。
たとえば「修正版を共有する」だけでは、読んだ人は自分のことか他人のことか分かりません。「担当者が4月10日までに修正版を共有する」と書くと、4月10日に確かめる相手がはっきりします。
会社にとっての理由は、担当と期日のない結論は、誰の仕事にもならないことです。次の会議で同じ話をやり直す原因になります。行動のない結論の議事録は、次に何をするかが分かりません。
研修で見せる3つの確認
受講者に見せるのは、結論の行を3つの空欄で確かめる表です。講師が一度やって見せてから、受講者に自分の議事録で埋めてもらいます。
| 確認する項目 | 空欄のときの読み手の困りごと | 受講者が直す方向 |
|---|---|---|
| 誰が | 自分が動くのか分からない | 担当者の名前を入れる |
| 何を | 動き出す内容が決まらない | 渡すものや確かめることを書く |
| いつまでに | 確かめる日が来ない | 日付を入れる |
表は紙1枚で配ります。空欄が1つでもあれば、その行は結論として未完成だと伝えます。
「引き続き検討」はどう教えるか
受講者がいちばん書きがちな結論は「引き続き検討」です。結論が決まらなかった会議でも、行動は書けます。
教え方は簡単です。「引き続き検討」の後ろに、次に話し合う日付を付けさせます。「次回の会議で再度話し合う」と書き、会議の日を入れます。
日付が入ると、検討が止まっていないことが読み手に伝わります。日付が入らないなら、その議題は誰も持っていないと分かります。研修では、この違いを受講者に声に出して言ってもらうと定着しやすくなります。
受講者がつまずく書き方
直し方でつまずく場面は、だいたい決まっています。講師が先に例を出しておくと、受講者は迷いません。
- 担当が部署名になっている
- 「営業部で対応」では、部の中の誰が動くか分からない
- 部の中から1人の名前を決めて書く
- 期日が「なるべく早く」になっている
- 読んだ人によって、今日にも来月にも読める
- 「4月10日まで」のように日付に直す
- 担当が2人になっている
- 2人とも相手がやると思う場合がある
- 先に動く1人を決め、もう1人は確かめる役と書く
どれも、会議の場で本人に「これは誰の仕事ですか」と聞けば直ります。議事録の担当者が会議の最後に一度だけ読み上げる習慣も、研修で一緒に練習できます。
教える流れと時間の使い方
弊社のワークショップは社員全員が対象で、1回3時間です。この枠で教えるなら、結論の点検に使う時間を先に決めておきます。
- 受講者が最近の会議の議事録を1つ持ち寄る
- 結論の行に線を引く
- 上の表で、誰が・何を・いつまでにの空欄を探す
- 空欄が1つの行を、日付か名前を足して直す
- 隣の人に渡し、その1行だけを読んで動けるか聞く
5つ目が大事です。書いた本人は前後の話を覚えているので、空欄に気づけません。他の人に読ませると、自分では見えなかった抜けが分かります。
議事録の要約や抜き出しの教え方は、議事録は要約、抽出、具体の順に3回に分けて書かせると研修で教える(新しいタブで開きます)で説明しています。担当と期日の書き方の全体は、議事録の研修では、誰が何をいつまでにやるかの書き方を教える(新しいタブで開きます)も参考になります。
明日できる次の一手
研修の担当者が明日できるのは、直近の会議の議事録を1つ開き、結論の行から「いつまでに」が空いている行を1つ探すことです。見つけたら、その行に日付を足します。
この1行を、次の研修で配る見本にします。実際の職場の議事録から作った見本は、受講者が自分のこととして読んでくれます。
2026年10月時点で、弊社が研修で勧めている点検はここまでです。最初は結論の行だけを見て、慣れたら議題ごとの4行(主張、意見、結論、行動)に広げます。