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社員のAIへの不安には、進める側が先に自分の不安を話す場を研修で教える

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社員にAIの使い方を伝えても、表情が曇る人がいます。「自分の仕事がなくなるのでは」と思っているからです。そこで「変化を受け入れてください」と言うと、不安は口にされないまま残ります。この記事は、進める側が自分の不安を先に話して向き合う方法を、研修でどう教えるかに答えます。

答えは、研修の最初に話す場を置くことです。役員や責任者が「使い始めた頃の不安」を自分の言葉で話し、その準備まで研修で練習させます。弊社のQuは、人を技術に合わせません。技術のほうを、その会社の感覚や文化に合わせるべきだと考えています。不安を飛ばして進めると、会社の感覚とずれたまま広がっていきます。以下は2026年10月時点の考え方です。

命じても気持ちは動かない

「受け入れなさい」は命令です。命令されると、社員は不安があること自体を隠します。隠れた不安は、研修を受けても消えません。画面は見ていても、頭の中では「自分の仕事は残るのか」と考え続けます。

ある会社の例では、役員や技術の責任者に使い始めた頃の不安を語ってもらいました。その話は社内向けの音声番組になり、責任者もはじめは絶望感があったと話しました。「みんな不安だけど、がんばろう」という空気ができたそうです。ここから、上の立場の人が先に不安を見せると、下の人が口にしやすくなると判断できます。

話す人に準備させること

話す役の人は、うまく話す必要はありません。ただ、思いつきで話すと自慢話になったり、不安を軽く扱ったりします。研修では、次の順で紙に書いてから話してもらいます。

  1. 使い始めた頃に、何が怖かったかを一言で書く
  2. そのとき実際にやったことを書く
  3. 今も分からないことを1つ書く
  4. 話す時間を5分以内と決める

3つ目が大切です。「今は全部分かっている」と話すと、聞く側は自分との差を感じて黙ります。分からないことが残っていると聞けば、「自分だけではない」と思えます。

研修の場での進め方

最初の5分は、話す役の人が書いた内容を話す時間です。次に、受講者に名前を書かずに今の不安を紙へ書いてもらい、講師が読み上げます。その場で答えを出そうとはしません。

不安を消すことを目標にすると、研修が説得の場になってしまいます。目標は、不安があっても仕事で試す範囲を決められる状態にすることです。読み上げのあとで、「この範囲なら試してよい」という線を一緒に引きます。この線の引き方は、会社のAIでやらないことは、4つに絞って研修で先に教える(新しいタブで開きます)にまとめています。

不安は、一度話して消えるものではありません。話した直後は軽くなっても、実際に仕事で使う段になると、また出てきます。弊社の「1社毎週定例」は、週1回の全体MTGを2か月続けるプランです。毎週の最初に、前の週に困ったことを聞く時間を置く使い方ができます。1回3時間のワークショップなら、冒頭にこの時間を取ります。

気をつけること

最初に決めておくのは、話す場の目的です。目的は、社員を説得することではありません。不安を口にしてよいと分かってもらうことです。

最初に、話した内容は人事評価に使わないと伝えます。評価に響くと思えば、誰も本当のことを書きません。

話す内容を、人事や研修担当が代わりに書くのも避けます。本人の経験でない話は、聞き手にすぐ伝わります。台本を渡すより、本人に1つの質問だけ答えてもらい、そのメモを整える形がよいです。

もう1つ、不安をあおって動かそうとしないことです。「乗り遅れると危ない」と言えば人は動きますが、不安は増えるだけです。

話す役の人が「自分の不安は話したくない」と言うこともあります。その場合は、無理に頼みません。話せる人が出るまで待つか、過去に困った小さな出来事だけを話してもらいます。大きな不安を出せなくても、「最初は戸惑った」と言うだけで場の硬さは変わります。

明日できる最初の一歩

研修の担当の方は、明日、役員か技術の責任者に10分もらってください。聞くのは「AIを使い始めた頃、何が不安でしたか」の1問だけです。答えをメモして、研修の最初の5分で本人に話してもらう案にします。

この一歩が会社に要る理由は、不安が残ると、習ったことを職場で試す人が減ると考えられるからです。研修の中身を整える前に、話してよい場を先に作る方が、あとの教えが届きやすいです。部署ごとの決めごとは、1枚のメモに書かせる方法があります。部署でAIを使う前の4つの決めごと(新しいタブで開きます)が参考になります。