Qu

AIに調べものを頼むときは、先に表を作らせると研修で教える

公開

AIに調べものを頼むと、長い文章がすぐに返ってきます。ところが読んでみると、知りたい項目が抜けていたり、候補が1つ足りなかったりします。研修の場でも、受講者から「どこが悪かったのか分からない」という声が出るのは同じです。この記事は、調べものを頼むときに最初に表を作らせる頼み方を、研修でどう教えるかに答えます。

弊社の生成AI研修 Qu(qu.strickland-ai.com)では、調べものを4つの段に分けて教えます。手順は、まず表を作らせて人が確かめ、次に表に沿って深く調べさせ、最後に報告書にまとめさせる、という順です。いきなり調べさせるより、抜けが減ります。以下は2026年10月時点の、弊社の教え方です。

いきなり調べさせると抜ける理由

AIに「A、B、Cのサービスを比べて」と頼むと、AIは書きやすい項目から書きます。値段や特長は出ても、自社が知りたかった項目は入らないことがあります。

人が抜けに気づくのは、報告を読み終えたあとです。そこから頼み直すと、前の答えと食い違う箇所も出ます。研修では、この流れを受講者に一度体験してもらいます。

表に入れるものは2つ

最初に作らせる表には、次の2つを入れます。

  • 調べる対象
    • 比べたいサービスの名前や、調べたい会社の名前など
    • 行として縦に並べる
  • 集める項目
    • 対象ごとに知りたいこと
    • 列として横に並べる

この段階では、中身の数字や説明は埋めさせません。何を、どの項目で調べるのかを決めるのが目的です。

たとえば、社内で使う経費精算のサービスを比べるなら、表は次のようになります。

調べる対象集める項目1集める項目2集める項目3
候補のサービス名料金の決まり方他の会計ソフトとのつながり契約の期間
別の候補のサービス名料金の決まり方他の会計ソフトとのつながり契約の期間

項目は、上の例のように行ごとにそろえます。そろえておくと、あとで比べやすくなります。

研修での進め方

弊社の研修では、次の順に練習します。

  1. 調べる目的を1文で書く。たとえば「経費精算のサービスを1つ選ぶために調べる」
  2. AIに、調べる対象と集める項目の表だけを作らせる。調べるのは、まだ頼まない
  3. 表を受講者自身が読み、足りない対象と項目を直す
  4. 直した表をAIに渡し、対象ごとに深く調べさせる
  5. 調べた内容を、最後に報告書にまとめさせる

3番目が、いちばん大事です。AIが作った表をそのまま使わせないようにします。

表を見て確かめる点

受講者が表を読むときに見る点を、次のようにそろえて教えます。

見る点直し方
目的に必要な項目が入っているか足りない項目を、受講者が列として足す
目的に関係ない項目が混じっていないか関係ない列を消す
対象が足りているか知っている候補が入っていなければ、行を足す
項目の意味が、人によって変わらないか「安さ」のような曖昧な言葉を、「月額料金」のように具体的な言葉へ直す

この確認は、数分で終わります。表ができる前に直せば、あとの調べものをやり直さずに済みます。

深く調べさせてから報告書にする

表が決まったら、対象を1つずつ深く調べさせます。表にある項目を指定して頼むと、AIは項目に沿って書くので、抜けに気づきやすくなります。

報告書にまとめさせるのは、全部の対象を調べ終えてからです。この順にすると、報告書の項目は最初の表と同じになります。読む人が、表と見比べて抜けを確かめられます。

調べものを任せる場面は、ふだんの仕事に近い題材を選びます。受講者が自分の仕事で使えるかを、研修の中で確かめられるからです。

教えるときの注意

表を作らせる頼み方を、毎回の決まりにはしません。1つの事実を確かめるだけの調べものなら、表は要りません。使うのは、複数の対象を複数の項目で比べるときです。

AIが書いた内容は、受講者が自分で確かめます。表は抜けを減らす方法であって、内容の正しさを保証するものではないためです。確かめ方は、別の回で練習します。

指示の並べ方や作業の分け方は、次の2本でも扱っているテーマです。AIへの指示の並べ順は、前の結果を読む作業かどうかで決めて教える(新しいタブで開きます)では、前の結果を読む作業の順番を説明しています。AIに頼む作業は、1つの作業に判断を1つだけ入れると研修で教える(新しいタブで開きます)も、あわせて読めます。

自社の研修で試すには

弊社の法人向けワークショップは、社員全員で受ける単発の研修です。1回3時間で、参考価格は30万円(税抜)からです。調べものの練習を入れたいときは、受講者の仕事に近い題材を事前に相談して決めます。まずは無料の実演デモから見られます。

社内で試すだけなら、次の1つから始められます。次に調べものを頼むとき、答えを書かせる前に、表だけを作らせてください。その表を読んで足りないものに気づけたら、この頼み方が効いています。