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AIエージェントを勧められたら、社内の詰まりを先に書き出すと研修で教える

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提案会社や取引先から「AIエージェントを入れましょう」と言われると、便利そうに聞こえます。ただ、何がどう良くなるのかを聞き返せないまま、話だけが先へ進むことがあり、この記事は、その場面に備えて、社内の詰まりを先に書き出す方法を研修でどう教えるかに答えます。

結論は、AIの言葉を使わずに、数えられる詰まりを1つ紙に書かせる練習から始める、です。AIエージェントとは、人の代わりに複数の手順を自分で進めるAIのことを指します。詰まりとは、返信が遅れる、同じ作業に時間がかかるといった、数えられる困りごとです。研修では、提案を聞く前にこの詰まりを書く順番を教えます。

先に書く理由

詰まりが書かれていないと、提案の良し悪しを比べる基準がありません。基準がなければ、相手の説明が上手な会社の案が良く見えます。

ある資料では、AIの言葉を使わず、測れる詰まりを先に診断して、それを解く流れを提案するのがよいとしています。この考え方は、頼む側にも当てはまります。頼む側が先に詰まりを持っていれば、相手の提案が自社の詰まりに合っているかを確かめられるからです。

会社にとっての理由は、お金と時間の使い道を自分たちで決められることです。詰まりを書かないまま導入を決めると、導入そのものが目的になります。あとから「何のために入れたのか」を誰も答えられなくなります。

詰まりとして書いてよいもの

研修では、書いてよい詰まりと、まだ書けていない詰まりを並べて見せます。

種類書いてよい例まだ書けていない例
遅れ問い合わせへの最初の返信が、翌日になることが多い対応が遅い
繰り返し毎週同じ表を手で写している事務作業が多い
抜け見積書の確認漏れが月に何度かあるミスが多い

左の例には、いつ、何が、どうなるかが入っています。右の例は、人によって思い浮かべる場面が違うものです。この差は、受講者自身に見つけさせます。

研修で書かせる手順

時間は20分ほどで足ります。受講者には、自分の仕事の中から書かせます。

  1. 先週、手が止まった作業をいくつか思い出して、付箋に1枚ずつ書く
  2. 付箋の言葉を、いつ・何が・どうなるかの形に直す
  3. 数えられるものを1枚だけ選び、紙の真ん中に書く
  4. 「AI」「自動化」「効率化」の言葉が入っていないかを読み直す

4つ目が大事です。「AIで効率化したい」と書いた受講者は、まだ詰まりを書いていません。道具の名前が先に出ているからです。

弊社が公開前に確かめていること

2026年10月時点で、弊社は記事や資料を外へ出す前に、人が読んで分かる言葉になっているかを確かめています。たとえ話は使いません。専門語は、初めて出たところで1文の説明を添えます。

この確かめ方は、詰まりの書き出しにそのまま使えます。受講者が書いた文に専門語が混じっていたら、原因をまだ自分の言葉で言えていない目印です。その場で、小学生に話すつもりで言い直してもらいます。

受講者がつまずく点

よくあるのは、詰まりを大きく書きすぎることです。「営業が忙しい」は、人も場面も決まっていません。1人の、1つの作業まで小さくするよう声をかけます。

もう1つは、原因まで書いてしまうことです。「人手が足りない」は原因の推測であって、詰まりの記録ではありません。詰まりの段階では、起きていることだけを書きます。原因を考えるのは、提案を聞く場面です。

効率化の数字は相手と決める

詰まりを書いたあとに、よく出る問いがあります。「どれだけ早くなるのか」です。

この答えは、書いてある資料を探しても見つかりません。どの会社にも当てはまる数字はないからです。研修では、数字を教えるのではなく、何の数字がどう変われば成功とするかを、頼む側が相手と1つ決めると教えます。たとえば、最初の返信までにかかる時間を測る、と決めます。

毎週どの数字を見るかについては、研修が「やった気」で終わる理由と、毎週3つの数字で防ぐ方法(新しいタブで開きます)が参考になります。また、頼む前の書き出しそのものは、AIにうまく頼めない人には、頼む前に1分の書き出しを研修で教える(新しいタブで開きます)で扱っています。

明日できること

明日の朝、自分の仕事で一番手が止まる作業を1つ選び、いつ・何が・どうなるかの1文で紙に書きます。AIの言葉は入れません。

その紙を、次に提案会社と会うときの最初の資料にします。相手の説明は、その紙の詰まりに当たるかどうかで聞くと、当たらない説明は今回の話ではないと分かります。社内に広げるときも、同じ1文の書き方を各部署に配れば、研修の形がそろいます。