Qu

AIが苦手なことは、広げる前に研修で実例を見せて先に伝える

公開

AIを社内に広げる前に、うまくいかない場面も見せるべきか迷う人は多いはずです。良い面だけを話したほうが、社員の気持ちが上がりそうに思えます。この記事は、AIが苦手なことを研修でどう先に教えるかに答えます。

答えは、苦手なことを言葉で説明せず、実際に外れる場面を研修で見せることです。そのうえで、人が確かめる場所を一行で書いて渡します。生成AI研修の Qu を組むときも、使い方より前にこの順番を考えます。

先に伝える理由

使われないAIを作ってしまう失敗があります。たとえば、社内のルールを答えるチャットボットです。社員が質問したのに、期待した答えが返らなかったとします。その社員は、次から開かなくなります。

期待が高いほど、外れたときの落胆は大きくなります。落胆が広がると、AIを広げる勢いが落ちます。ある会社の例では、勉強会や質問の場で、AIが苦手なことも先に伝えました。期待しすぎて落胆するのを防ぐためです。

何でもAIで自動化しようとして、失敗することもあります。苦手を知らないまま任せると、任せる範囲が広がりすぎるからです。会社にとって、先に伝えることは、落胆と任せすぎの両方を減らす手になります。

研修で教える苦手なこと

苦手なことは、仕事の場面に結びつけて教えます。AIの仕組みの説明から入ると、自分の仕事と離れてしまうからです。

仕事の場面AIの苦手研修で見せること
事実の確認自信のある言い方で間違いを書く社内の制度を聞き、実際の規程と並べる
社内独自のルール会社の決まりを知らない自社の決まりを聞き、一般論が返る様子を見る
新しい出来事最近のことを知らない場合がある直近の話題を聞き、答えの日付を確かめる
長い計算や集計数を取り違えることがある表の合計を出させ、電卓で検算する
結果への責任責任を負えない決めた人の名前を、誰が書くか話し合う

表の全部を見せる必要はありません。時間は限られていて、受講者が持ち帰れる数にも限りがあります。受講者の仕事に近い場面を、2つほど選べば足ります。多く見せるほど、一つずつの印象が薄くなるからです。

見せる順番

講師が「AIは間違えます」と言うだけでは、実感は残りません。自分で見つけた間違いは、よく覚えているものです。研修の中では、次の順に進めます。

まず受講者に、自分の仕事でAIに頼みたい作業を一つ出してもらい、その作業をAIに頼んで、全員で結果を読みます。次は、受講者がずれている所や間違いを探す番です。見つかったら、ずれた理由をAIの苦手と結びつけて説明します。最後に、人が確かめる場所をその場で一行に書いてもらいます。

最後の一行が、研修の持ち帰りになります。たとえば「取引先への金額は、元の表と見比べてから送る」のような一行です。苦手を知るだけでは、行動が変わりません。知識として聞いた話は、忙しい日には思い出されないからです。確かめる場所まで決めて、はじめて仕事の手順になります。

苦手だけで終わらせない

苦手ばかり話すと、今度は使わない社員が増えます。得意なことも同じ紙に書きます。下書きを作る、長い文を短くする、言い方を変える、といった作業です。

得意と苦手を並べると、「ここまでは任せ、ここからは自分で見る」という線が見えます。線の引き方は、会社のAIでやらないことは、4つに絞って研修で先に教える(新しいタブで開きます)で書きました。自信のある言い方への向き合い方は、AIの自信ある答えは、言い方と正しさを分けて研修で教える(新しいタブで開きます)にあります。

2026年10月時点で、弊社のワークショップは社員全員が対象で、1回3時間です。この見せる順番は、その3時間の中に一度入れられます。研修のかたちを決める前に、まずは無料の実演デモから見ることもできます。

明日の一手

明日できることは、研修資料に一枚足すことです。今日AIに頼んだ作業の中から、答えが外れた例を一つ選びます。外れた例がなければ、社内の制度についてAIに質問し、実際の規程と照らします。

その例の画面を一枚に貼り、下に「この場面は人が確かめる」と一行書きます。これを研修の最初の方に置くと、後ろの使い方の話が現実的に聞こえてきます。広げる前に苦手を見せておけば、外れたときに社員は驚かず、使い続けやすくなります。