Qu

AIに渡す資料は、その仕事に関わる分だけに絞ると研修で教える

公開

AIに資料を渡して仕事を頼むとき、フォルダの中身をまとめて渡したくなることがあります。足りないよりは多いほうが安心だと思うからです。この記事は、AIに渡す資料を「その仕事に関わる分だけ」に絞る方法を、研修でどう教えるかに答えます。

結論から言うと、研修では「資料は全部ではなく、仕事に関わる分だけ渡す」と先に伝えます。そのあとは、受講者が自分の仕事を1つ選んで、渡す資料を自分で選ぶ練習です。Qu の研修では、この選び方を理由と一緒に教えます。

全部渡すと何が起きるか

資料を全部渡すと、AIは関係のない文章まで読むことになります。やり取りが長くなり、途中で話がずれやすくなります。

ある記事では、大きな仕事をAIに頼むとき、資料を全部読ませるとやり取りが長くなり、途中で話がずれると書かれています。その記事は、仕事に関係する部分だけを読ませ、失敗したら原因を特定してから直させる進め方を勧めています。

もう1つ、会社として見ておきたい点があります。資料の中には、その仕事に要らない情報が混ざっています。たとえば、見積書をまとめる仕事に、人事の資料は要りません。渡さなければ、渡してよいかを迷う場面そのものが減ります。

研修で最初に比べさせること

研修では、同じ仕事を2通りの渡し方で頼ませて、答えを見比べます。

渡し方受講者が見るところ
資料を全部渡す答えの長さ、話のずれ、関係のない内容の混入
関わる資料だけ渡す答えが仕事の目的に合っているか、足りない情報はないか

受講者は、全部渡したほうが親切だと考えがちです。実際に見比べると、長い答えが必ずしも仕事に合っていないことに、自分で気づきます。人に言われるより、自分の画面で見たほうが納得できます。

比べるのは、答えのよしあしだけではありません。どの資料を渡したか、なぜ渡したかも、受講者にメモさせます。あとで見返せるからです。

渡す資料の選び方

選び方は、次の手順で教えます。

  1. 頼みたい仕事を、1文で書く
  2. 資料の一覧を見て、その1文に出てくる言葉が載っているものに印をつける
  3. 印のついた資料を、多くても3つまで残す
  4. 残した資料ごとに、なぜ渡すかを一言で書く
  5. 渡して頼み、足りなければ1つずつ足す

大事なのは、最後の手順です。足りないときに、一度に全部足さず、1つずつ足します。どの資料で答えが変わったかが、分かるようになります。

仕事を1文で書く練習は、AIに頼む作業は、1つの作業に判断を1つだけ入れると研修で教える(新しいタブで開きます)とも重なります。先に読んでおくと、1文にまとめやすくなります。

うまくいかないときの直し方

渡した資料に関わるのに、答えがずれることもあります。そのときは、AIにもう一度やらせる前に、原因を分けて考えさせます。

原因は大きく2つです。資料が足りなかったのか、頼み方があいまいだったのかです。足りなかったなら、不足している資料を1つ足します。あいまいだったなら、頼み方を直します。

たとえば、取引先への案内文をAIに頼んだ場合です。日付が違っていたなら、日程の資料を渡し忘れた可能性があります。一方、言い回しが硬すぎたなら、頼み方に読み手の説明が足りなかった可能性があります。

原因を特定せずに「全部渡し直す」と、元の状態に戻ってしまいます。研修では、直す前に原因を一言で書かせます。

研修でくり返す形と、会社で話し合うこと

一度の説明で身につく人は少ないので、自分の仕事で何度も試す場が要ります。2026年10月時点の弊社の法人向けの参考価格で言うと、1社毎週定例は、週1回の全体ミーティングを2か月続ける形で、税抜60万円〜です。週ごとに受講者が自分の仕事の資料を持ち寄り、絞り方を見直せます。

会社として、決める前に話し合っておきたい点もあります。渡してよい資料の範囲を誰が決めるか、渡す資料を選んだ記録を残すかどうか、迷ったときに誰に聞くかの3点です。

これらは、会社ごとに答えが違います。研修の前に、この3点を担当者と話し合っておくと、受講者の迷いが減ります。

明日できる次の一手

明日、いつもAIに頼んでいる仕事を1つ選んでください。その仕事を1文で書き、資料フォルダから、その1文に関わる資料を3つまで選びます。選んだ資料だけを渡して頼み、全部渡したときの答えと見比べます。

違いが小さければ、次回から絞った渡し方を使えます。違いが大きければ、どの資料で答えが変わったかを書き残してください。その記録が、研修で教える内容の元になります。