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AIの効率化は何の数字がどう変わるかを一文で書かせて教える

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外部の会社から「AIで効率化します」と言われると、よい話に聞こえます。けれども、何が良くなるのかを聞き返せないまま頼んでしまう人は、少なくありません。この記事は、何の数字がどう変わるかを決める方法を研修でどう教えるかの説明です。

研修で教えることは、一つです。「効率化」と聞いたら、「何の数字が、いまの値から、どの値に変わるのか」を一文で書かせます。数字は、作業にかかる時間か、1件あたりの費用のどちらかから選ぶと、決めやすくなります。2026年10月時点で、どちらを選ぶかは頼む側が相手と話して決める点です。

効率化だけでは決まらないこと

「効率化」は、どの会社でも言える言葉です。時間が減ることも、費用が減ることも、間違いが減ることも、まとめて効率化と呼べるからです。頼む側が期待したことと、相手が作るものが、ずれたまま進んでしまいます。

そのずれは、納品のときに初めて見えます。そのころには、お金も時間も使い終わった後です。

ある資料では、返信欄に、効率化の数字とは何かを問う声がありました。作業にかかる時間の短縮なのか、1件あたりの費用なのかという問いです。ただし、その答えは資料には載っていません。どちらが正しいかは決まっていないので、頼む側が相手と話して決めるべき点です。

一文の型を書かせる

研修では、次の型を紙に書かせます。

「(業務の名前)の(数字)を、(いまの値)から(目標の値)に変える。測るのは(人)で、(時期)に測る」

たとえば、請求書の入力という業務で考えると、「請求書1枚の入力にかかる時間を、10分から5分にする」と書けます。これは作り話の例です。受講者には、自分の職場の値に置き換えさせます。

型の中でいちばん大事なのは、「いまの値」の欄です。いまを測っていないと、AIを入れたあとに変わったかどうかが分かりません。そこで研修の最初の宿題は、1件にかかる時間を実際に測ってくることにします。

数字の選び方を比べる

どの数字を選ぶかは、業務の性格で変わります。研修では、次の表を見せて、自分の業務はどちらに近いかを考えさせます。

選ぶ数字向いている業務先に確かめること
作業にかかる時間毎日くり返す入力や文書づくり1件に何分かかっているか
1件あたりの費用外に払う金額が件ごとに出る業務1件にかかる人件費と外注費の合計

迷う受講者には、「その数字が変わったら、誰が助かるか」を聞きます。現場の人の時間が空くなら時間を、会社の支払いが減るなら費用を選ぶ、という分け方です。答えが現場の人から出るか、経理から出るかでも、選ぶ数字は変わります。

数字を一つに決めたあとは、他の数字と組にして見ると安全です。その考え方は、AIに渡す目標は数字を1つにせず組にする。研修での教え方と手順(新しいタブで開きます)で説明しています。

言葉が通じているかを確かめる

弊社は、外へ出す文章を公開前に、人間が読んで分かる言葉かを確かめています。比喩を使わず、専門語は初めて出たところで説明する決まりです。この確かめ方は、「効率化」にもそのまま使えます。

「効率化」を読んだ人が、変わる数字を答えられないとします。その場合、この言葉は、まだ分かる言葉になっていない、ということです。研修でも、同じ問いを受講者に向けます。「この言葉を聞いて、変わる数字を言えますか」と聞き、言えなければ、一文の型に書き直させます。

聞き返す練習をする

型を書けても、本番で相手に聞けなければ意味がありません。そこで研修の後半は、役を決めて聞き返す練習にします。

1人が提案する側になり、「AIで業務を効率化します」とだけ言います。もう1人は頼む側になり、「何の数字が、いくつからいくつになりますか」と聞きます。提案する側が答えに詰まったら、そこが提案に足りない点です。

ここでは、答えを責めないことが大事です。資料にも答えが載っていない点なので、相手もその場で決められない場合があります。その場合は、「次の打ち合わせまでに、一緒に決めましょう」と持ち帰ります。

会社に必要な理由

この決め方が会社に要る理由は、あとで続けるか止めるかを判断できるからです。数字が決まっていないと、成果があったかどうかが、担当者の印象で語られます。印象で決めた依頼は、次の依頼で比べる材料も残らないままです。

数字が決まっていれば、毎週の進み具合も同じ物差しで見られます。見方は、研修が「やった気」で終わる理由と、毎週3つの数字で防ぐ方法(新しいタブで開きます)にまとめています。

明日できること

明日の一手は、頼もうとしている業務を一つ選び、1件にかかる時間を実際に測ることです。

  1. 外に頼もうとしている業務を、一つだけ選ぶ
  2. その業務を1件やって、かかった時間を書き留める
  3. 相手に「効率化で、この数字がいくつからいくつになりますか」と聞く
  4. 返ってきた答えを、一文の型に書き写す

測った時間が手元にあれば、相手の答えが現実に合っているかを、その場で見比べられます。測っていなければ、相手の数字をそのまま受け取るしかない状態です。研修で教える順番も同じで、先にいまを測らせ、そのあとで提案を聞かせます。