AIで仕事を速くした会社でも、ある朝AIが使えなくなったら、その日の仕事が止まることがあります。研修で自動化のやり方は教えても、止まった日の動き方まで教える場面は多くありません。この記事は、AIを全部止めても明日の仕事が回るように、手作業の手順を残す方法を、研修でどう教えるかに答えます。
答えは、自動化ごとに「手作業の手順書」を1枚書かせることです。弊社ストリックランドの生成AI研修 Qu では、自動化の作り方と同じ回に、この1枚を書く時間を入れるよう勧めています。作った人が、AIを使わない場合の手順を自分の手で書き出します。1枚あれば、AIの会社がやり方を変えた日にも、担当が休んだ日にも、仕事は止まりません。
なぜ研修で教える必要があるのか
自動化は、動いている間は手作業の手順が見えなくなります。毎日AIが下書きを作ってくれるなら、人はその前に何をしていたかを忘れていきます。
忘れた状態で止まると、仕事を戻すだけで半日かかります。何を見て、どこに書き、誰に渡していたのかを、思い出すところから始めることになるからです。
AIのサービスは、会社の側で止まる日を決められません。提供する会社が機能や使い方を変えることもあります。だから会社には、手作業へ戻れる道を残しておく理由があります。研修で教えるのは、AIの使い方だけではなく、使えない日の備えまで含めます。
手順書に書く5つの項目
手作業の手順書は、A4の1枚で足ります。次の表の項目を、自動化ごとに埋めさせます。
| 項目 | 書く中身 | 例 |
|---|---|---|
| 仕事の名前と目的 | 何のための仕事か1文で書く | 毎週の議事録を共有する |
| 入力と出力 | 何を受け取り、何を渡すか | 会議のメモを受け取り、要点を共有欄へ置く |
| AIなしの手順 | 番号をつけて、1行に1つの動作を書く | 1. メモを開く 2. 決まったことに線を引く |
| 担当と時間 | 誰が、何分でやるか | 担当は2人、1回あたりの目安を書く |
| 戻す合図 | どうなったら手作業に切り替えるか | AIの画面が開けない日は手作業にする |
「担当と時間」の欄は、実際にやってみた時間を書かせます。想像で書いた時間は、止まった日にずれます。数字は各社で測ったものを使い、この記事では示しません。
研修の進め方
研修では、自動化を1つ作ったあとに、次の順で進めます。
- 作った自動化を1つ選び、AIがやっていることを書き出す
- AIなしでやるなら何をするかを、番号つきで書く
- となりの人に渡して、その手順だけで動けるかを読んでもらう
- 分からなかった箇所を、書いた人が直す
- 手順書を、みんなが開ける場所に置く
3番目が大事です。書いた本人は、自分の頭の中の知識で補って読んでしまいます。別の人が読んで止まった場所が、手順書の足りないところです。
ここで、教える側は「AIを使わないのは遅くて無駄だ」という空気を作らないようにします。手作業の手順は、毎日使うものではありません。止まった日にだけ使う、控えの手順です。
弊社の運用で見えたこと
弊社は、外へ出す文を会社として出してよいかどうか、機械の判定(Jev)で点検してから出しています。この点検は便利ですが、機械が使えない日のことも考えておく必要があります。
機械の点検が使えない日は、人が文を読んで確かめる手順に戻ります。このように、自動化の隣に人の手順を置いておくと、止まったときに慌てずに済みます。研修では、この考え方を受講者の自動化にそのまま当てはめさせます。
明日できる次の一手
読んだ人が明日できることは、1つだけです。いま使っているAIの作業を1つ選び、「AIなしでやるなら最初の3行は何か」を書いてみてください。
3行が書けなければ、その作業は作った人の頭の中にしか手順がない状態です。そのときは、残りの行も書き足してから、手順書として置き場に入れます。
確認する間隔
手順書は、書いたら終わりではありません。業務のやり方が変わると、古い手順は使えなくなります。
研修のあとの運用では、自動化のやり方を変えたときに、手順書も一緒に直すと決めます。決まった時期に、実際にAIを使わずにやってみる日を作ると、古くなった箇所が見つかります。
戻せない失敗を防ぐ考え方は、戻せないAIの間違いを触れさせない形で防ぐ(新しいタブで開きます)にあります。任せる範囲を段階で決める話は、AIを任せるときの守りを3つの段階に分けて教える(新しいタブで開きます)にまとめました。あわせて読むと、止める場所と戻る道の両方がそろいます。
2026年10月時点の弊社の考え方です。自社の研修に入れたい場合は、Qu の無料の実演デモから内容を見られます。